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汗じみ・洗濯・通気性…働く女性が選ぶ“真夏の正解服”とは?

「今年の夏も異常気象レベルの猛暑が続く」。そんな言葉がもはや驚きではなくなった2025年の夏。通勤やオフィス内での暑さに悩む働く女性たちは、日々、工夫を凝らしながら快適さと見た目のバランスを模索している。

こうした中、AOKIが展開する「ジャケジョ研究所」は、ジャケットを着用する機会のある20〜50代女性1,000人を対象に、「猛暑対策に関する意識調査」を実施した。その結果から見えてきたのは、従来の“冷やす”だけの対策では立ち行かなくなった現実と、快適さを自らの装いに組み込む新たなライフスタイルである。調査では、冷却アイテムに対する「持ち歩きが面倒」「効果が長続きしない」といった声が目立つ一方で、「UVカット素材の服」「通気性の良い衣類」といった“身につけるアイテム”への関心が高まっていることが明らかになった。酷暑と共存する時代において、単なる対処法ではなく“快適な装備”としての衣類・小物が、新たなスタンダードになりつつあるようだ。

暑さ対策の“常識”が変わる──紫外線ケアから快適装備への進化

2024年の夏、働く女性たちが外出時に最も意識していた猛暑対策は「日焼け止めを塗る」(49.8%)という回答だった。これは紫外線対策が見た目や美容の枠を超え、体調管理の一環として日常的に取り入れられていることを示している。次いで「塩分摂取・水分補給」(49.3%)、「帽子や日傘の使用」(47.4%)などが上位に挙がり、紫外線と熱の両面に対処する複合的な行動が主流であった。実際に取り入れたアイテムとしては、「日傘」(53.2%)、「UVカット素材の服」(37.0%)、「通気性の良い服」(36.9%)が高い割合を占めており、“身につけることで暑さを防ぐ”という選択肢がすでに一定の支持を得ていたことがわかる。

しかし、その一方で、冷却グッズなどの“その場しのぎ”の対策には課題も見えてきた。調査では、「持ち歩くのが面倒で続かない」(36.6%)、「屋外では一瞬しか冷たさが保てなかった」(30.5%)といった声が目立ち、手軽さや持続性に対する不満が表面化している。こうした背景から、2025年にかけては「着ているだけで涼しい」「身につけるだけで暑さに強くなれる」といった、“装備”としてのアイテムに注目が集まっている。猛暑が一過性ではなく、日常の一部となった今、対策にも“快適さが持続する”ことが求められているのである。

身につける猛暑対策へ 機能性衣類が注目される背景

冷却グッズの一時的な効果に限界を感じるなかで、働く女性たちが次に注目しているのが「着ること自体が対策になる」衣類や小物だ。2025年夏に向けた調査では、「身につけるタイプの猛暑対策アイテムを重視している」と回答した人が58.2%にのぼった。これは過半数を超えており、冷却スプレーや扇風機など“使うもの”よりも、“装うもの”に機能性を求める傾向が強まっていることを意味している。

実際に、「お金をかけても良い」と思えるアイテムを尋ねた設問では、1位が「日傘」(42.4%)、2位が「UVカット素材の服」(36.1%)、3位が「通気性の良い服」(33.7%)という結果に。これらはどれも、身につけるだけで体感温度の低下や紫外線対策につながるアイテムである。

背景には、暑さそのものが日常になったことに加え、移動中の荷物を増やしたくないという意識もあるだろう。着ているだけで効果を発揮し、見た目にも違和感がない――そんな「無理のない対策」が、支持を集めているのだ。また、近年は衣類においても、吸汗速乾や冷感素材など、テクノロジーを取り入れた製品が増えている。こうした機能性ファッションの進化が、猛暑対策の常識を変えようとしている。

見た目と快適さ、働く女性が抱える葛藤

「涼しく過ごしたい。でも、見た目の印象も大切にしたい」——働く女性にとって、夏の服装は機能性と印象の間で揺れ動く選択の連続だ。
調査では、「外出中の猛暑対策として“快適さ”を優先する」と答えた人が全体の60.4%と多数派である一方で、「見た目」を優先する層も39.6%にのぼっており、無視できない存在感を示している。特にビジネスシーンでは、服装が相手に与える印象を左右することもあるため、「快適さだけでは選べない」と感じる人が多いのも頷ける。

実際に「仕事の日の猛暑対策が難しい理由」として最も多かったのは、「見た目や印象とのバランスが取りにくい」(25.4%)という回答だった。見た目と快適さ、どちらかを妥協するのではなく、“両立する工夫”が求められている状況が浮かび上がる。

たとえば、ジャケットの下に冷感インナーを着用したり、UVカットのカーディガンを合わせるといった、TPOに応じたレイヤリングで快適さを確保する工夫が現場では進んでいる。また、「オフィスでも違和感のないデザイン性のある空調服が欲しい」といった声も寄せられており、“見られること”を意識した猛暑対策が今後のスタンダードになっていく可能性もある。快適さを優先しつつも、“自分らしさ”や“きちんと感”を損なわない装いが、働く女性にとっての理想である。夏服選びにおけるこの微妙なせめぎ合いは、今後ますます多様化する女性の価値観やライフスタイルに応じた提案が必要であることを示唆している。

“洗える・通気性・汗じみ対策”、暑さをしのぐ以上に“日々の快適さ”が鍵に

暑さへの対処は単なる“我慢”ではなく、“日々をどう心地よく過ごすか”という視点にシフトしている。その兆候は、仕事服に求める条件からも見て取れる。
調査では、夏の仕事時間を快適に過ごす服装の機能として最も重視されたのは「洗濯機で洗える」(31.7%)、次いで「通気性が良い」(28.4%)、「汗じみになりにくい」(26.9%)という結果だった。これらはいずれも、“その日を快適に過ごせるか”だけでなく、“毎日気兼ねなく着られるか”という継続性を含んだ実用的な視点である。

特に「洗える」という機能は、心理的なハードルを下げる要素として大きい。「自宅で洗濯できる服だと、毎日の着用のストレスがなかった」という声は最多の31.3%を占め、気温と湿度が高い日々の中で、衣類に手間をかけずに済むという点が支持されている。さらに、通気性や汗じみ防止といった機能は、見た目の清潔感を維持することにもつながり、結果としてビジネスシーンでの印象管理にも貢献する。働く女性たちの間では、快適さ=パフォーマンスを支える要素として捉えられていると言える。

つまり猛暑対策は、単に「暑さをしのぐ」ためのものではなく、生活全体をスムーズに回す“快適設計”としての意味合いを持ち始めている。こうした実用性に根ざした価値観の広がりが、これからの夏服選びの基準を大きく変えていく可能性がある。

「働く女性の猛暑対策に関する意識調査」概要
調査期間:2025年5月
調査機関:調査委託先株式会社ノウンズ
調査対象:ジャケットを着用する機会のある20代~50代の女性
有効回答数:1000件
調査方法:インターネット調査

暑さをしのぐ装いから、暮らしを整える「快適のスタンダード」へ

猛暑が「異常」ではなく「日常」となった今、働く女性たちの装いもまた、その変化に適応している。今回の調査から見えてきたのは、冷却グッズや即席の対策ではなく、身につけるアイテムそのものに“快適さ”を求める意識の高まりである。

洗濯のしやすさや通気性、汗じみ対策といった実用性のある条件が、日々のパフォーマンスや心理的余裕を左右する要素として重視されている点は興味深い。それは、猛暑対策が単なる気温への反応ではなく、ライフスタイル全体の質を高める手段へと進化しつつあることを示している。「見た目」と「快適さ」を天秤にかける時代から、それらを両立できる“ちょうどよさ”を選び取る時代へ。働く人々の感性と実用性のバランス感覚が、これからの夏の装いのスタンダードを形づくっていくことになるだろう。

ジャケジョ研究所について
ジャケットを着る女性を応援する研究機関。ビジネスウェアの悩み解決や、日常を快適にする情報を発信している。
https://www.aoki-style.com/feature/jacketjoshi/

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