大人気ポテトサラダや麻婆豆腐のおいしさが分かる裏側も! 「成城石井自家製」惣菜を生み出すセントラルキッチンに潜入
- 2026/3/18
- ライフスタイル

全国226店舗のスーパーマーケットを展開する成城石井が自社のセントラルキッチンを公開する取材会が3月初旬に行われた。「成城石井自家製」印の自社製商品が売上全体の2割を占める同社にとってセントラルキッチンは心臓部のような場所。『ポテトサラダ』『プレミアムチーズケーキ』など代表商品の製造作業を見学し、さらにすべての惣菜の味付けを司る“最深部”まで見ることができたレポートは、はっきり言って全国の成城石井ファンは必見の内容であること間違いなし!
「成城石井自家製」商品の製造拠点「大和第3セントラルキッチン」へ!
舌肥でこれまで何度も取材を重ねてきた成城石井。そんな中、過去のどの取材においても自家製商品のおいしさと低コストの要として語られていたのが、和洋中のプロ料理人が中心となって商品開発を行うセントラルキッチンの存在だった。
成城石井は1996年にセントラルキッチンを導入し、現在は東京都町田市と神奈川県大和市に合わせて3か所の施設を擁している。そのうち今回訪れた大和市の「成城石井 大和第3セントラルキッチン」は2022年に設けられた最新の施設で、「成城石井自家製」商品のほとんどがここで作られているという。

最寄り駅から向かうと、しばらくして四方に窓が無い要塞のような巨大建造物が目の前に。まるで秘密基地に潜入するかのようなドキドキ感に、私だけではなく周りの他の記者たちも心拍数が高まっている様子。
成城石井セントラルキッチンが誇る手作業の極み『ポテトサラダ』の皮むき部隊に密着!
今回こうした取材会が行われたのは、3月6日から4日2日にかけて全国の成城石井店舗で開催中の「成城石井“愛されグルメ”大賞」にちなんでのこと。そういうわけで成城石井ユーザーにお馴染みの商品の製造工程を中心に館内の一連の施設が紹介された。

最初に見学したのは『ポテトサラダ』の製造工程だ。

成城石井のポテトサラダといえば、同社がセントラルキッチンを構える以前、創業の地である成城店のバックヤードで惣菜を作っていた40年以上前から変わらぬレシピを守り続けている不動の人気商品だ。その人気の秘訣として、皮と実のおいしいところを極力残すため、じゃがいもを手作業で皮むきしていることがよく知られているが、まずは盛り付け室の一角を訪れると、ちょうど蒸し上がったばかりいもが皮むき部隊のもとに運ばれてきたところだった。

調理台に置いたトレイの中にいもを広げ、一個10秒ほどのスピードで次々と皮をむいていくスタッフたち。とはいえ、じゃがいもはまだ湯気が立っているようなアツアツの状態だ。それゆえ手袋を二重三重にして取り組む人もいるそうで、なんと一日に約5000個の皮むきがここで行われるという。

続いて、皮むきを終えサラダ室に運ばれたじゃがいもが、他の材料と一緒にポテトサラダに変わる工程も拝見した。
ここでは一度に100キロのサラダを作ることができるという機械が活躍。じゃがいも、にんじん、きゅうりと順番に投入された材料を2本のロボットアームが優しい“手つき”でかき混ぜていくと、我々がよく知るポテトサラダの姿に。なお、大橋さんからは、隠し味にセロリを使い、味わいと食感に深みを出しているというその味の秘密も明かされた。

一方、盛り付け室では『フォー・ガー(鶏肉のフォー)』の作業にも遭遇した。スーパーマーケットでエスニック系の惣菜がまだ珍しかった2009年に登場し、じわじわと支持を集めた本商品は、ナンプラーに白ワインを合わせて旨みやコクを引き立たせた鶏ガラスープまで自家製だ。

パクチー、蒸し鶏、海老、赤玉ねぎ、もやしがのった華やかな見た目も特長で、ここではまさに麺の上に彩りが添えられていく作業が展開されていた。

人気ベーグルの製造の裏側、そしてすべての惣菜の味を司る“最深部”へ
続いてデザートの現場を通過し、これも不動の人気商品である『プレミアムチーズケーキ』にラベルが貼られる作業を横目に見ながらパン成形室に辿り着くと、そこでは『ごろっとマカダミアとクランベリーのもっちり湯種ベーグル』の成形が行われている最中だった。

200店舗以上に送るパンを作るとなると当然ここは機械任せでしょ…って思っていたら、「え、ここも手作業?」というのが率直な感想。そこで専門店のベーグルのようにすっぽり手に馴染むあの形の理由を知る。

本来ベーグルは焼く前に茹でる作業が必要だが、同社では設備的にその工程を入れるのが難しい中、湯種生地に米粉を入れて、もっちりとした生地を作ることで商品化にこぎつけたそう。「湯種生地に米粉を入れることで外はカリっと中はモチっとした食感を実現しています」と素材について語った積田さんは、食感を残すため練りの工程の最後に加えるという大粒のマカダミアナッツも見せてくれた。

隣の焼成室では、巨大なオーブンからベーグルが焼き上がる瞬間も目撃し、室内中に漂うパンの香ばしい匂いにお腹がグ~と鳴る。

その後、野菜室で野菜のカットにも手作業が多く組み込まれていることを知り、さらに次の集中計量室へ。
調味料の計量を行う集中計量室は、プロの料理人たちが作ったレシピに沿って調味料の調合を行う部屋。例えばビビンバのナムルひとつをとっても具材ごとに味付けを変えるほど調味料にこだわる成城石井のセントラルキッチンにとって、ここはいわば惣菜全体の味を決める中枢中の中枢的な場所といえる。

この部屋にはなんと200種類近い調味料がストックされているそうで、それらを駆使して毎日の製造に使う調味料を調合している。特に使う量が多い濃口醤油と油は、計量器ごとに設けられた2本のノズルから出てくる仕組みだ。
ここでサンプルとして用意されていたのは、『四川山椒ピリ辛麻婆豆腐』に使われている4種類の醤。

豆板醤が基本の辛みを作り、甜麺醤が甘みと深みと生み、麻辣醤がしびれる辛さの刺激を与え、豆鼓醤がそれらの土台の上にコクを加える。下茹ですることで表面に小さなヒビや穴ができた豆腐にこの調味料がしみこむことで、家庭では出せないプロの味が生まれるという。なお、ごはんのおかずはもちろん、ラーメンのトッピングなどに使ってもおいしいこちらだが、「ピザなどに使うチーズをのせてレンジアップ」というのが大橋さんおすすめのアレンジ術とのこと。

職人の技と手作業はセット。2つ揃わなければ意味はない
見学の終盤、成形室では『国産豚のジューシー焼売(小)』の製造を拝見。本商品は冷凍していないフレッシュな豚肉のたねに帆立の干し貝柱、干し椎茸、クラッシュした干し海老をペースト状にして入れることで深い旨みに仕上げた大橋さん渾身の一品だ。ここまで見てきたこだわり同様、こちらもやはり皮から自家製で、具が盛り上がるように綺麗に成形された立派な焼売が無数に並ぶさまは、一種のアート的なものを見ているかのような様相だった。

そして最後は仕分け室で、全国の店舗に出荷される商品の仕分けを見学。
配送はすべてトラックによる陸送で、3つのセントラルキッチンから送られるものはすべて一旦ここに集約された上で発送されるという。一日4便体制で多い時は一日に30万パックを仕分けることもあるほどの忙しさだというが、室内は店舗ごと綺麗に整頓された状態で保たれており、製造以外の効率への工夫も伺うことができた。

「成城石井自家製」商品の製造工程が惜しげもなく公開された貴重な機会。実は現場に入る前、積田さんは我々に「職人の技と手作業はセット。職人がいくら良いレシピを作ってもそれを再現できる仕組みがなければ意味がありません」と語っていたのだが、その意味を自分の目でしっかりと感じることのできる時間になった。
ちなみに、第3セントラルキッチンでは2週間に一度の頻度で商品検討会が行われており、若手、ベテランの差なく提案OKという決まりのもと、各部署の予選を突破したメニュー案が商品化に向けて競い合っているという。この日我々が着座で説明を受けた会議室はまさにその審査の場所であり、次の“愛されグルメ”を生み出すための努力が日々行われていることもここに付け加えておきたい。

セントラルキッチンの操業30周年を記念して成城石井全店で開催中の「成城石井“愛されグルメ”大賞」では、今年1月に行われた同社初のお客様参加型による自家製商品人気投票の結果をもとに「おかず部門」「ごはん部門」「サラダ部門」「パン部門」「デザート部門」の5部門で人気ランキングを発表。各部門の順位は店内で配布中の「号外」で知ることができ、各部門上位2品の計10商品がお客様に感謝を込めた増量・割引価格などの特別規格販売中だ。今回製造工程を見学した商品は果たして上位にランクインしているのか。それは店舗を訪れるまでのお楽しみということにしておこう。








