日産×BEAMS JAPAN共同プロジェクト『てしごトリップ』、栃木県「益子焼」の弟子入り体験をレポート

日産自動車株式会社は、株式会社ビームスによる日本の魅力を発信する事業「BEAMS JAPAN」と共同し、日本各地の伝統工芸の工房で弟子入り体験ができるプロジェクト『てしごトリップ』を実施。家族のおでかけを通じて、子どもたちが自然や歴史、文化などその土地でしか得られない本物の体験に触れることで、多様な価値観や感性を育んでいく考えである“旅育”を推進する企画だ。

日産とBEAMS JAPANが選定した全国7カ所の伝統工芸への弟子入り体験を、抽選で14組の家族にプレゼントされるというもので、そのうちの7組には日産「セレナ e-POWER LUXION」 でその地域をめぐる特別な旅が用意された。

7月16日(日)、初回となる弟子入り体験会が栃木県「陶芸体験教室よこやま」で行われ、多数の応募の中から見事当選し参加した家族を取材させてもらった。

今回の伝統工芸は栃木県益子町の伝統工芸「益子焼」だ。益子町周辺の陶土を使い、素朴で温かみのある風合いとぽってりとした形が特徴で、芸術作品から器やお皿など日常的な食器としても多く使われている。筆者は初めて益子町を訪れたのだが、たくさんの陶器店が立ち並ぶ“陶器の町”を感じさせる街並みと、自然豊かな風景、そしてフレンドリーで温かい人が多いことが印象強い。

「陶芸体験教室よこやま」は、陶芸家の横山雄一さんの窯元で15年前から陶芸体験を行なっている。陶芸作品の販売や、体験教室の2階には益子焼の食器を使ったカフェレストランがあり、同じ敷地内にはパン屋やギャラリーも併設している。体験教室には土日はファミリーで訪れる人が多く、平日は会社や学校など団体で来ることもあるという。また、県内の保育園や幼稚園でお皿作りに来ることもあり、驚いたことには、子ども達は1人3つお皿を作り、自分で作った益子焼の食器を給食で使うのだという。「自分が作ったものを自分で使うことで、器作りに興味を持ち、器を大切にすることを知ってもらいたい」と横山さんは話す。このようにして益子町では子どもの頃から益子焼に親しみ、益子焼を大切にする気持ちを育んでいることを知った。

今回弟子入り体験をする子どもの家族は、用意された日産セレナに乗って自宅から来訪。運転手を務めた父親は、「高速道路では料金所とジャンクション以外は前を見るだけで何もすることがなかった」と驚きの発言。そう、この特別な旅に用意された日産「セレナ e-POWER LUXION」は今年4月に発売された新型セレナの最上位グレードで、ロングドライブをサポートする先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を搭載。ハンドル操作やアクセル、ブレーキを自動アシストし、先行車に合わせて速度調整もしてくれる。「疲れが全然違う。運転が楽だった」と運転のしやすさを嬉しそうに語っていた。また、母親は「バックドアを上半分だけ開けられるのが便利だった」と、後方が狭い場所でも荷物の出し入れがしやすいデュアルバックドアが大活躍したことを教えてくれた。また、「後部座席のシートベルトがドア側からではなくて座席に付けられているので装着しやすかった」と試乗したからこそ感じた発見や、「今の時期は使わないが、後部座席にシートヒーターが付いているのは冬場嬉しい」と後部座席に乗る家族のことも考えた新型セレナを絶賛した。

そしていよいよ弟子入り体験がスタート。今回は益子焼の手びねりと電動ろくろの2種類の作り方で2点ずつ制作。陶芸家の横山さんに弟子入り体験するのは6歳の子どもだ。はじめに横山さんから益子焼が益子の粘土を使うことや、作ったものは焼くと小さくなることなど簡単な説明を受ける。体験者の子どもは、普段から絵を描くなどの創作活動が好きということで、陶芸にとても興味津々で意欲的。横山さんの説明にも真剣に聞き入る姿があった。

~手びねり~

手びねりは粘土を棒で伸ばしたり手で細長くしたり、回転ろくろも使いながら自由な形を創作し、最後に釉薬で絵付けを行う。自由制作ということで「何を作ろう?」「動物にしようかな」など迷いながら粘土を触り、平たく伸ばしていった。「好きな形にしていいんだよ」「縁に細長くした粘土を重ねるとカップにもなるよ」など横山さんのアドバイスを受けながら、男の子は真剣に形作っていき、とても上手な雲の形のお皿を制作。形が出来上がったら釉薬を使って色塗りを行った。子どもは「色は混ぜてもいいの?」と質問したり、「焼くとこれが白くなるの!?」と驚いたり。

色は混ぜない方がいいそうで、内側に白、外側に水色を塗った。重ねる場合は下の色が乾いてからとのことで、乾いてから色を足すことに。焼くと色は鮮やかになるとのことなので、出来上がりがどんな仕上がりで届くのかも楽しみのひとつ。もうひとつの作品は壁掛けできる作品に。クマの形に挑戦し、クマの顔も道具を使って掘り、さらに絵付け。母親も隣で声をかけながら、子どもは一生懸命に仕上げていった。

~電動ろくろ~

続いて電動ろくろの体験へ。横山さんが見本を見せると、「すごーい!これがお皿になるの?」「どうやって止めるの?難しそう!」とワクワクした様子。

まず手に水を付けて、優しく薄くしていく。「気持ちいい!」と土を触りながら「さっきはお皿を作ったから今度はコップを作る」と決めたものの、いざやってみると「速い!」と、電動ろくろの扱いは難しそうな様子。何度か挑戦し、横山さんの手ほどきも受けながら見事コップが完成。2つ目の作品は、母親のリクエストを受けて、教室内にも展示がされてあった「蚊取り線香」を制作。扇形のコップを最後に湾曲させて作っていた。「楽しかった!気持ちよかった!」と全ての作品を作り上げた子どもは満足気な笑顔を見せた。

作ったものは乾燥させてから窯元で焼いてもらい2カ月ほど後に自宅に届くことになっているが、今回の弟子入り体験で制作した作品のうち1点はBEAMS JAPANの店舗に展示されるという特別な企画も用意。どの作品を展示するかを決め、もしかしたら売れるかもしれない!?ということで自分の作品に値段をつけるという作業も行った。一生懸命作ったのでどれも手放したくない様子で、悩みに悩んで雲の形のお皿を展示することに。さらに「いくらにする?」と、これまで買ったお菓子の値段などと比べて考え、子どもが提示したのは「700円」。何ともリアルで謙虚な値段をつけたので思わずその場にいた大人の笑みがこぼれた。

最後に、横山さんから“未来の伝統工芸士”として「オリジナル認定証」が授与された。子どもは照れくさそうに受け取りながらも嬉しそうだった。
体験者の子どもはこの弟子入り体験で4つもの陶芸作品を作り、さらに1点は自分で値段をつけるという本当の職人のような体験をした。家族で新しい車に乗ったことや益子町までの道中の景色、職人のもとでの弟子入り体験、それを家族が見守ってくれたことなど、子どもにとっても家族にとっても一生忘れられない思い出となったことだろう。もしかしたらこの経験が未来に繋がるきっかけとなるかもしれない。

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